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国公労連は1月30日に記者会見し、「公務員酷書」を発表した。「ヤバすぎる公務員削減――時給500円・48時間寝ないで仕事」という副題が付けられている。定員削減で人が減らされるなか、長時間過密労働と健康破壊が進行している実情を告発。「ブラックな国公職場」が決して例外ではないことが分かる。
●過労死と隣り合わせ
国公労連や個人加盟の国公一般に寄せられた職員の声を紹介する。
○…自分の残業代を計算すると、時給500円になって、家族からコンビニでアルバイトした方がいいと言われている。霞が関で働く国家公務員は「ブラックバイト」よりひどい実態だ。
○…不眠不休で働く度合いが尋常ではない。国会業務や不測の事態への対応が重なり、木曜日の朝から土曜の朝まで48時間寝ないで仕事をしているなか、そのまま続けて勤務するよう当然のように命じられることもあった。
○…午前5時まで職場で働いていると、どうしてこんなに働かなくちゃいけないのか急にバカらしくなって、パッと職場の窓から飛び降りた方が楽になるんじゃないかと思うことがある。
○…ゴールデンウィークに毎日、全員が出勤して普通に仕事しているが、誰も「休んだ方がいい」とは言わない。
○…「ワーク・ライフ・バランスが大事」と言われるが、私の部署では「365日ワークばかり」で、どこにライフがあるのかという実態だ。とりわけ女性はどう考えても働きづらく、政府の言う「女性活躍」など自分の足元から成り立っていない。
○…1年間のうち半分は職場に泊り込むか朝帰りだ。「霞が関不夜城」とはよく言ったもので、こんなところで働いていると過労死するか、家族を失うかの二つくらいしか道がないように思う。
○…人件費削減で国立研究機関全体の職員が削減され、非正規職員の割合が増加。若手研究者の安定した研究環境は確保されず、正規・非正規にかかわらず研究者の絶対数が減っている。研究を主体的に行う者の数が減れば、日本の科学技術研究が衰退していくのは当たり前だ。
○…非常勤職員だが、交通費もでなければボーナスもなし。夏季休暇もない。
●総定員法の撤回を
「酷書」は、日本の公務員・公務部門職員の人件費がOECD(経済協力開発機構)31カ国中、国内総生産比で11年連続して最下位になっているデータなども紹介。各省庁別労組によるレポートも掲載されている。
鎌田一書記長は「1968年に制定された総定員法と定員削減計画により、仕事とは無関係に自動的に人が減る仕組みがつくられ、実施されてきた。職場はもう限界であり、私たちの健康だけでなく、国民の安心安全を守る機能を脆弱(ぜいじゃく)化させている」と指摘。増員とあわせ、総定員法と定員管理方針(合理化計画)の撤回、非常勤職員の無期雇用化を目指す署名に取り組むことにしている。
都道府県版の酷書も今後作成し、他の公務関係労組や市民団体と連携してシンポジウムなどを開き、世論に訴える考えだ。
酷書は国公労連が定期発行している雑誌『KOKKO』2月号に全文掲載される。2月初旬には書店で入手できるという。(連合通信 2017)